【直近の履歴】
第32回 1940年代~1950年代のCPI
第31回 1970年代~2000年代のCPI
第30回 商品循環とCPI (データ作成手順)
今回も、前の2回に続いて、1940年代以前の商品循環とCPIの関係を調べてみます。
データは、SkyDriveiアップしてあるので、詳細は、以下のリンクを参照してください。
CPI_PPI
1.1937年2月~1937年6月
年月 CPI(%) PPI(%)
1937/2/1 2.17% 7.19%
1937/3/1 3.65% 10.22% <= PPIの10%超え
1937/4/1 4.38% 10.95%
1937/5/1 5.11% 11.85%
1937/6/1 4.35% 9.49% <= PPIの10%割れ
この期間は、商品の弱気相場(後方テール)にあたり、インフレも抑制されていました。
一時的に、PPIの前年同月比が10%を超えても、CPIは大きく反応せずに、最大でも、5%台と比較的に落ち着いていました。
2.1933年9月~1934年7月
年月 CPI(%) PPI(%)
1933/9/1 -1.49% 7.96%
1933/10/1 -0.75% 10.81% <= PPIの10%超え
1933/11/1 0.00% 11.82%
1933/12/1 0.76% 12.96%
1934/1/1 2.33% 18.10%
1934/2/1 4.72% 23.30%
1934/3/1 5.56% 22.12%
1934/4/1 5.56% 22.12%
1934/5/1 5.56% 17.59%
1934/6/1 5.51% 15.18%
1934/7/1 2.29% 8.40% <= PPIの10%割れ
この期間も、商品の弱気相場(後方テール)にあたり、インフレも抑制されていました。
1937年と同様に、PPIの前年同月比が10%を超えても、CPIは大きく反応せずに、最大でも、5%台と比較的に落ち着いていました。
3.1915年12月~1920年11月
年月 CPI(%) PPI(%)
1915/12/1 1.98% 10.34% <= PPIの10%超え
1916/1/1 2.97% 12.71%
・・・
1916/9/1 9.90% 27.12%
1916/10/1 10.78% 29.75% <= CPIの10%超え
1916/11/1 11.65% 36.59%
・・・
1918/4/1 12.70% 12.18%
1918/5/1 13.28% 6.25% <= PPIの10%割れ
1918/6/1 13.08% 5.71%
1918/7/1 17.97% 7.08%
1918/8/1 18.46% 7.91%
1918/9/1 18.05% 11.27% <= PPIの10%超え
1918/10/1 18.52% 11.37%
1918/11/1 20.74% 10.85%
1918/12/1 20.44% 10.85%
1919/1/1 17.86% 7.41% <= PPIの10%割れ
1919/2/1 14.89% 6.16%
・・・
1919/11/1 13.50% 5.96%
1919/12/1 14.55% 10.64% <= PPIの10%超え
1920/1/1 16.97% 17.24%
1920/2/1 20.37% 20.98%
1920/3/1 20.12% 20.80%
1920/4/1 21.56% 24.45% <= PPIのピーク
1920/5/1 21.89% 23.61%
1920/6/1 23.67% 22.65% <= CPIのピーク
1920/7/1 19.54% 17.70%
1920/8/1 14.69% 11.65%
1920/9/1 12.36% 10.29%
1920/10/1 9.94% 2.05% <= CPI,PPIの10%割れ
この期間は、1920年をピークとする商品循環における、強気相場の初期段階(前方テール)からピークまでの時期に当たります。
上のデータを見ると、1915年12月に、PPIが10%を超えて、商品の強気相場に入ります。この時、CPIの反応は鈍く、10%を超えたのは、10ヶ月後の1916年10月でした。
しかし、一度、CPIが10%を超えると、長期間に渡って、激しいインフレが続き、再び、CPIが10%を割ったのは、4年後の1920年10月でした。
一方で、PPIは、二度、10%を割ってから、1919年12月に再度、10%を超えて、1920年4月にでピークを付けた後、1920年10月にCPIと同時に10%を割っていました。
4.まとめ
この時期のCPIの動きの特徴をまとめると以下のとおりです。。
・これまでの商品循環と同様に、強気相場の初期段階では、PPI(商品価格)の上昇に対して、CPI(消費者物価)の反応は鈍く、インフレは抑制されていた。
・これまでの商品循環では、強気相場の中で、CPIが10%を超えても、インフレが一旦、沈静化していたが、1910年代後半は、4年にわたって激しいインフレが続いていた。
・商品の強気相場のピークでは、これまでと同様に、PPI(商品価格)の上昇に対して、CPI(消費者物価)は敏感に反応し、ほぼ、連動した動きを見せていた。
次回は、これまでのCPIと商品循環の関係をまとめて、今後の予測を立ててみようと思います。