商品循環 第2回 景気循環との類似性


今回は、商品循環と景気循環との類似性を考えてみます。

WikiPediaによると景気循環とは、「経済全体の活動水準である景気において、循環的に見られる変動のことで、一循環を拡張局面と後退局面の2局面に分ける考え方と、回復、好況、後退、不況の4局面に分割する考え方がある。」とのことです。

また、景気循環は、主に企業の在庫変動や設備投資、不動産投資に起因すると見られています。

在庫循環は、生産と在庫の組み合わせで、以下の四つがあり、それぞれが、景気循環の4局面に対応しています。

1.生産増在庫増・・・好況

工業製品の生産や設備/不動産の供給が増加し販売量を上回るために在庫が増加する状態。

2.生産減在庫増・・・後退

工業製品の生産や設備/不動産の供給過剰が調整され生産減少が始まるが、依然販売量を上回るため在庫は増加する。

3.生産減在庫減・・・不況

工業製品の生産や設備/不動産の供給が減少し販売量を下回るため、在庫が減少する。

4.生産増在庫減・・・回復

工業製品の生産や設備/不動産の供給が回復し在庫水準がさらに低下したために生産が回復するが、販売量を下回るために在庫が減少する。

商品循環でも、原油穀物、鉱物資源などの生産と在庫に関して、同様の在庫循環が発生します。

1.生産増在庫増・・・好況

原油穀物、金属などの生産が増加し出荷を上回るために在庫が増加する状態。

2.生産減在庫増・・・後退

原油穀物、金属などの生産過剰が調整され生産減少が始まるが、依然出荷を上回るため在庫は増加する。

3.生産減在庫減・・・不況

原油穀物、金属などの生産が減少し出荷を下回るため、在庫が減少する。

4.生産増在庫減・・・回復

原油穀物、金属などの出荷が回復し在庫水準がさらに低下したために生産が回復するが、出荷を下回るために在庫が減少する。

このように、景気循環と商品循環は、在庫循環という点で類似性があります。
次回は、景気循環と商品循環の相違点について、考えたいと思います。