この論文によると、2007年~09年にかけての無黒点状態の長期間化で、太陽から受けるエネルギーは異常に低い水準にとどまり、その影響で熱圏が縮小し、その気温は08年に1996年比約30%減となる41℃も低下したということです。
熱圏の厚さと密度が薄くなると、軌道上を回る物体が受ける摩擦が少なくなるため、人工衛星などの寿命が延びるという良い点がある一方で、宇宙ゴミも長期間軌道上に留まるために衝突リスクが高まることになります。
今回の研究のように、黒点や太陽風などの太陽活動が地球の上層に大きな影響を与えていることが、近年、徐々に解明されて来ました。
地球の気候変動への影響も解明されることを、個人的には期待しています。