各国で広まる「資源税」導入の動き

大和総研が、各国で広まる「資源税」導入の動きについて、レポートしています。


1.オーストラリア
 ・オーストラリアは、2012年7月から、「資源超過利潤税」を導入する予定である。
 ・課税対象が、販売額から利益に変わり、税率も一律 40%に引き上げられる。
 ・オフショアの石油ガスプロジェクトには、「石油資源使用税」(1987年以来、利益に40%の税率)が既に適用されている。

2.インド
 ・5月20日、インド政府は、新たな資源税の導入案を明らかにした。
 ・新税は、鉄鉱石など非エネルギー資源の国内販売と輸出において、価格の上昇率が生産コストの増加を大幅に上回った際に課税される模様だ。

3.中国
 ・5月25日、新疆ウイグル自治区で先行的に、石油や天然ガスへの資源税を従来の従量税から従価税へ変更する政策が明らかにされた。
 ・今後は全国区への拡大を計画している。

4.資源税導入の目的と影響
 ・資源生産国の資源税導入の目的は、資源関連収益からの税収を増やし、これを国内の他産業や国民に再配分する為。
 ・増税の悪影響がすぐに出るわけではないが、中期的には増税分が販売価格に転嫁され、最終製品価格の上昇圧力、もしくは製造業者の利ざや縮小圧力として働いてくるだろう。

5.今後の動向
 ・オーストラリアの今後の動向が注目される。
 ・オーストラリアでは、資源業界が反発を強め、ラッド政権は一部譲歩する姿勢を見せているが、今年の秋の総選挙の結果次第で、大きく変化する可能性が高い。

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日本のような資源の純輸入国にとって、資源税導入はコストアップ要因となり、苦しい立場に立たされる可能性が高いです。