三菱重工業 中国で次世代石炭火力(IGCC)の事業化に乗り出す

三菱重工業が、日本や米国に先行して、中国で次世代の石炭火力発電設備(IGCC)の事業化を目指す事を表明しました。

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三菱重工業は中国で次世代の火力発電設備を事業化する。石炭をガス化してから燃やす最先端設備で、通常の石炭火力より発電効率が高く、二酸化炭素(CO2)排出を2割減らせる特徴がある。中国の重電大手、東方電気集団と共同で営業を始め、受注し次第、合弁会社を設立する。発電の8割を石炭に頼る中国は発電設備の効率化と環境対応が課題。有望な市場と見て中国で事業化に踏み切る。

 次世代火力発電には「石炭ガス化複合発電(IGCC)」と呼ばれる技術を用いる。石炭は埋蔵量が豊富で安価な一方、燃焼時にCO2を大量に排出する欠点がある。石炭をガス化しガスタービンを回すIGCCはCO2の排出量が少ない。

 中国では電力会社が20~30基のIGCCの新設を計画しており、三菱重工と東方は共同で入札に参加する。受注が決まれば、事業会社を設立する。出資比率など詳細は今後詰めるが、三菱重工が過半を出資する。(日経新聞
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日本国内では、実証炉が、福島県いわき市で稼動していますが、実用化まではあと数年かかる見込みです。

また、IGCCは通常の石炭火力発電よりも、導入コストが大きいために、日本や米国での市場拡大に不透明な部分があります。

現在、中国は、主力の石炭火力のクリーン化を政策的に推進しており、今後、先進的な火力発電設備が中国に集中する可能性があります。