米商務省が発表した2010年1QのGDP成長率(速報値)は、季節調整済みの年率換算で前期比プラス3.2%でした。
内訳を見てみると、個人消費がプラス3.6%と、前期の1.4%から大きく改善しています。
失業率が高止まりして、収入が増えない中で、個人は、貯蓄率を下げて、消費に回しています。
2010/2 米・個人消費支出 前月比+0.3%
失業率が高止まりして、収入が増えない中で、個人は、貯蓄率を下げて、消費に回しています。
2010/2 米・個人消費支出 前月比+0.3%
このような、個人消費の回復の動きは、景気後退を脱した初期段階で、良く見られることですが、持続力は無い動きだと言えます。
米国の景気回復のエンジンとして重要な住宅投資は、前期(2009年Q4)が3.8%のプラスだったのに対して、Q1は、マイナス10.9%となっています。
上のグラフは、GDPに占める住宅投資の割合の推移です。
過去の景気後退では、住宅投資が先行して回復して、それが、GDPを押し上げてきましたが、今回は、住宅投資が底這いの状態が続いており、今後の景気回復力が弱いことが分かります。
このような状況から、米国は、低成長が当面、続くと予想されます。