検証システム 第15回 逆イールドと株式売却タイミング(3)

【最近の経過】
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/58487226.html 第12回 株価は景気の先行指標となりうるか
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/58629765.html 第13回 逆イールドと株式売却タイミング(1)
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/58777936.html 第14回 逆イールドと株式売却タイミング(2)

今回は、前2回で得られた結果をまとめてみます。

逆イールドを検知してから、株式を売却するタイミングとして、以下の4種類の方法を、想定しました。
1.逆イールド検知と同タイミング
2.逆イールド検知の4Q後
3.下落トレンドを検知してから売却
4.逆イールド検知から4Q後に平均的に売却

実際に過去3回の景気後退のデータを使って、検証したところ、それぞれ、株価のピークからの乖離率の平均は、以下のとおりです。

【乖離率の平均】
1.逆イールド検知と同タイミング・・・-13.8%
2.逆イールド検知の4Q後・・・-12.4%
3.下落トレンドを検知してから売却・・・-12.0%
4.逆イールド検知から4Q後に平均的に売却・・・-10.0%

また、データのばらつきを見るために、乖離率の標準偏差を求めると以下のとおりです。

【乖離率の標準偏差
1.逆イールド検知と同タイミング・・・0.0925
2.逆イールド検知の4Q後・・・0.1007
3.下落トレンドを検知してから売却・・・0.0581
4.逆イールド検知から4Q後に平均的に売却・・・0.0074

上のように、乖離率の平均が最も低く(すなわち、期待値が最も高く)、かつ、標準偏差が小さい(すなわち、大きく外れるリスクの小さい)、4の戦略を採ることが、統計的に正しいと言えます。

実際の取引では、4Q(=1年間)で、保有株式を、完全に平均的に売却することは難しいので、以下の式で売却サイクル(日数)を求めて、その日数毎に、最小取引単位で、売却することで、近似させます。
売却サイクル(日数)=最小取引単位÷保有株数×365日

【まとめ】
1.逆イールドを検知した日から、株価のピークを予測することは、実際上は、不可能である。
2.しかし、逆イールドを検知した日から、4Q(=1年間)で平均的に保有株式を売却することによって、株価のピークの約90%の価値で売却することが期待できる。

次回は、イールドのノイズを除去し、ノーズダイブ検知の前提となる金利データの移動平均の計算方法を説明します。