今回は、前回とは逆に、景気の底と株価のボトムの関係を分析してみます。
【これまでの経過】
第1回 金利データのダウンロード
第2回 金利データの内容と編集
第3回 Accessデータベースの作成
第4回 Accessデータベースへの金利データの格納
第5回 不要データの削除
第6回 イールドスプレッドを求める
第7回 逆イールドのデータを抽出する
第8回 逆イールドと景気後退との関係
第9回 株価指数データのダウンロードとデータベースへの格納
第10回 景気の山と株価のピークの関係性
第1回 金利データのダウンロード
第2回 金利データの内容と編集
第3回 Accessデータベースの作成
第4回 Accessデータベースへの金利データの格納
第5回 不要データの削除
第6回 イールドスプレッドを求める
第7回 逆イールドのデータを抽出する
第8回 逆イールドと景気後退との関係
第9回 株価指数データのダウンロードとデータベースへの格納
第10回 景気の山と株価のピークの関係性
NBERの公式認定では、1950年代以降の米国の景気の底は、以下の9回です。
1954年5月
1958年4月
1961年2月
1970年11月
1975年3月
1980年7月
1982年11月
1991年3月
2001年11月
1958年4月
1961年2月
1970年11月
1975年3月
1980年7月
1982年11月
1991年3月
2001年11月
図1 株価指数のボトムを抽出するクエリの作成
まず、上記の最初の景気の底(1954年5月)に対応する株価のボトムを抽出するクエリを作成します。
【手順】
1.S&P500テーブルを選択
2.取引日をドロップ
3.取引日の範囲に、景気の底の1年前から2年後の日付(1953年5月1日~1956年5月1日)を入力
>#1953/05/01# And <#1956/05/01#
4.指数をドロップ
5.最小の指数を先頭に表示させるために、指数の並び替えを、昇順に設定
1.S&P500テーブルを選択
2.取引日をドロップ
3.取引日の範囲に、景気の底の1年前から2年後の日付(1953年5月1日~1956年5月1日)を入力
>#1953/05/01# And <#1956/05/01#
4.指数をドロップ
5.最小の指数を先頭に表示させるために、指数の並び替えを、昇順に設定
図2 クエリによる株価指数の最小値表示
1953年9月14日の22.71が、1954年5月の景気の底に対応する株価のボトムとなります。
図3 全ての株価ボトム抽出クエリの作成
上の手順と同様に、全ての景気の底に対応する株価ボトム抽出クエリを作成して、株価のボトムを求めます。
【結果】
景気の底→株価のボトム(月数の差)として表示すると、以下のようになります。
景気の底→株価のボトム(月数の差)として表示すると、以下のようになります。
1954年5月→1953年9月(-8)
1958年4月→1957年10月(-6)
1961年2月→1960年10月(-4)
1970年11月→1970年5月(-5)
1975年3月→1974年10月(-5)
1980年7月→1980年3月(-4)
1982年11月→1982年8月(-3)
1991年3月→1990年10月(-4)
2001年11月→2001年10月(-1)
1958年4月→1957年10月(-6)
1961年2月→1960年10月(-4)
1970年11月→1970年5月(-5)
1975年3月→1974年10月(-5)
1980年7月→1980年3月(-4)
1982年11月→1982年8月(-3)
1991年3月→1990年10月(-4)
2001年11月→2001年10月(-1)
上の結果から以下のように、分析できます。
・株価は、景気の底に先行して、ボトムを付けている。
・ボトムを付ける時期は、8ヶ月前から1ヶ月前と、3Q以内の狭い範囲にまとまっている。
・株価のボトムをいつ認識できるかによるが、例えば、3Q後に認識した時には、既に、景気後退を脱している可能性が高い。
・株価は、景気の底に先行して、ボトムを付けている。
・ボトムを付ける時期は、8ヶ月前から1ヶ月前と、3Q以内の狭い範囲にまとまっている。
・株価のボトムをいつ認識できるかによるが、例えば、3Q後に認識した時には、既に、景気後退を脱している可能性が高い。
株価のボトムは、殆どの場合、景気の底に、先行するので、先行指標として使えそうです。
今回も、2009年3月に株価がボトムを付けて、7月頃に景気後退を脱したと言われています。
今回も、2009年3月に株価がボトムを付けて、7月頃に景気後退を脱したと言われています。
しかし、先行期間が短いために、認識の遅れが発生してしまう可能性があると思います。
次回は、これまでの逆イールドと景気、株価の関係について、一旦、まとめてみます。