航空機向けレアメタルとして注目されるレニウム

JOGMECが、航空機向けレアメタルとして注目されるレニウムについて、レポートしています。


レニウムについて】
・特徴・・・融点がタングステンに次いで二番目に高い

・用途・・・石油用触媒、航空機用ジェット・エンジン内のタービン・ブレードや産業用ガス・タービン・ブレードに利用する耐熱合金。特に、航空需要の増加に伴い、ジェット・エンジン用耐熱合金として需要が高まっている。

・供給・・・Molymet社(チリ)、Climax(米)で世界の約70%のレニウム生産を占めており、これらは、長期供給契約で、限られた企業のみに供給されている。

・価格・・・2009年11月の価格は6,000US$/kg程度で、2008年8月の更新記録価格である12,000 US$/kgからは半減した。これは、経済不況によって、航空機産業の需要の低迷が原因である。

・まとめ・・・今後、エアバスが2028年までに25,000機の製造が必要と予想するなど、軍用機も含めた航空機需要は増大すると予想されている。そうした中、航空機産業では、レニウムは燃焼効率を向上させる環境性能、確立した技術による安全性に優れていることから、引き続きレニウムの航空機用耐熱合金への利用は拡大すると分析し、レニウムの供給確保は極めて重要であるとLipmann氏(MMTA(Minor Metals Trade Association)元会長)は述べた。