ピークオイルの考え方の基本 第ニ回

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TODの Gail the Actuary 氏による、ピークオイルの考え方の解説の二回目です。



前回、説明したように、北米や北海油田原油生産量が減少に転じて、新規油田の発見量も、毎年、減少していきました。

図5 WTI原油価格の推移

北海油田原油生産量が減少に転じた2000年頃から、人々の間に、原油の供給不安が高まり、原油価格が上昇し始めました。
特に、2004年以降は、急速に上昇し、2008年後半の金融危機による景気後退まで、価格上昇が続きました。

図6 世界の原油生産量(年間)の推移

原油価格の上昇を受けて、原油の生産量も、2000年以降、増産されましたが、価格の上昇を抑えるほどの増産は出来ませんでした。
特に、2005年以降は、年間ベースの原油生産量は、ほぼ、一定になっています。

図7 世界の原油生産量(月次ベース)の推移

月次ベースで見ると、原油価格が過去最高値を付けた2008年7月に、微かな兆候ですが、原油生産量もピークを付けていることが分かります。

図8 WTI原油価格と原油生産量の相関関係

WTI原油価格(縦軸)と原油生産量(横軸)の関係を散布図にプロットすると、原油生産量が日量7500万バレルに近づくと、急激に原油価格が上昇することが分かります。
すなわち、いくら価格が上昇しても増産不可能な、世界の原油生産量の限界点が、日量7500万バレル近くに在ることが、推測されます。

(第三回に続く)