2010年の米国のGDP成長率は弱い

イメージ 1

米国の2009年Q3のGDP成長率が、かなり強いものになるという予想が多くなってきました。
これは、景気の落ち込みが止まり、企業が在庫を急速に積み上げた結果だと考えられます。

上のグラフは、米国の過去五回の景気後退の終了時期における、GDP成長率の推移です。
赤い実線が過去五回の中間値をプロットしたものです。

拡大図は、以下のリンクを開いて、グラフをクリックしてください。
Inventory Restocking and Q3 GDP

グラフを見て分かるように、いずれも、青い帯で示される景気後退期の終了直前から、GDP成長率が大きく伸びて、景気後退期の終了後、2%前後で頭打ちとなり、その後、4四半期は、伸び悩むか、一時的にマイナス成長になることが分かります。

今回の景気後退でも、2009年のQ3、Q4のGDP成長率は大きく伸びますが、2010年は、以下の理由から、回復力がかなり弱いものになると予想されます。

1.在庫の積み増しが2010年に入ると完了する。

2.住宅の在庫が積み上がっているために、通常、景気回復のエンジンとなる住宅投資が期待できない。

3.やはり、景気回復のエンジンである個人消費が、住宅価格の下落で家計のバランスシートが傷ついているために、期待できない。

4.ドル安と新興市場の成長で輸出は期待できるが、米国経済が、輸出で大きく成長することは考え難い。