トルコ・シリア・イラク チグリス・ユーフラテス川の水資源をめぐる対立

中東のチグリス・ユーフラテス川の流域各国で、水資源をめぐる対立が激しくなっています。


・9月3日、チグリス・ユーフラテス川の流域のトルコ、シリア、イラクの3国の代表者がアンカラに集まって、水資源の問題について話し合いました。

下流のシリアとイラクは、「トルコが上流で大量の取水を行っていることが原因で、下流では、チグリス川の流量が過去最低水準まで減少して、農業などに被害が出ている。」と、トルコを非難しました。

・トルコは、「チグリス川の流量が減った原因は、上流の降水量が減っているためで、トルコのせいでは無い。」と反論しました。

・専門家は、将来、この地域で水資源を巡る紛争が起きる可能性を指摘しています。

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この問題についても、レスター・ブラウンが以前から指摘しています。
地下水位の低下と河川の枯渇

上記からの引用
●引用開始
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同じ問題がチグリス、ユーフラテスの両河川にも起こっている。どちらの川もトルコ共和国から、シリア、イラクを経て、ペルシャ湾まで流れている。シュメール文明などの古代文明を生み出したこの水系も、現在、過剰にくみ上げられている。また、トルコとイラクに複数の大きなダムが建設されたことにより、かつての「肥沃な三日月地帯」に流れ込む水が減少してしまった。以前このデルタ地帯を潤していた広大な湿地の90%以上がダムの影響もあって破壊されているのだ。
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●引用終了

中東地域では、ヨルダン川の水をめぐるイスラエル、シリア、ヨルダンの争いもあります。
同じような水資源問題が世界各地で同時に起きている気がします。