2006年9月5日の逆イールド出現を伝えるニュース

今から、約3年前のブルームバーグのニュース(Caroline Baumの署名入り記事)です。
Arturo Estrella とMary R. Trubinが、逆イールドの出現による米国の景気後退入りを警告しています。


・ニューヨーク連銀のエコノミストであるArturo Estrella とMary R. Trubinが、「現在の逆イールドの継続は、来年後半に、米国が景気後退に陥ることを示唆している。」という内容のレポートを公開しました。

・1968年からの6回の景気後退の全てにおいて、平均で12ヶ月前に、逆イールドが出現しています。

・しかし、多くの人は、イールドカーブによる予測は、非科学的な経済学だと考えています。

ワコビアの主任エコノミストの John Silvia は、顧客宛てのレポートの中で、「イールドカーブを信じる者は、知的に劣っている。」と述べました。

・また、ある人々は、「現在のような低金利の環境では、逆イールドは景気後退を示唆しない。」と述べています。

・ ニューヨーク連銀で、Arturo Estrellaとイールドカーブに関する共著のある Frederic Mishkin は、FRBの理事に就任する予定です。

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結局、Estrella が指摘したように、2007年の後半(NBERの公式判定では、2007年12月)に、米国は景気後退に陥りました。
すなわち、1968年からの7回の景気後退の全てにおいて、平均で12ヶ月前に、逆イールドが出現したという訳です。
将来、逆イールドが出現するときにも、おそらく、ニュースとして殆ど取り上げられないか、「非科学的だ。」とか、「今回は、違う。」といった非難が浴びせられると思います。
そのような、ノイズに惑わされずに、冷静な判断を下したいと思います。

今、John Silvia の発言を読むと、ワコビアがサブ・プライムローンの損失で実質的に破綻したのも、納得できます。