米国債 イールドスプレッドが2.79に拡大

イメージ 1

イメージ 2

上の最初のグラフは、昨夜の米国債市場のイールドカーブです。

長期債が大きく売られて、長期金利が上昇し、2年債と10年債の利回りの差(イールドスプレッド)が、2.79となりました。
これは、先週の2.75を更新して、過去最大の記録です。

このように、イールドカーブがスティープ化した原因は、左側の短期債が、景気の低迷を反映して、低い金利でフラット化し、右側の長期債が、国債の需給悪化懸念から売られて、高い金利でフラット化しているからです。

二番目のグラフは、この、1977年からのイールドスプレッドの推移を表したものです。
拡大図は、以下のリンク(CR氏のブログ)を開いて、グラフをクリックしてください。
Record High Yield Curve, Rising Mortgage Rates

このグラフを見て分かるように、過去二回の景気後退では、景気後退が終了した後に、イールドスプレッドが拡大しています。
これは、景気刺激を目的に、長期金利が上昇し始めた後にも、FRBが低金利を長く維持したことによります。

今回も、FRBは同様な政策を取っていることから、イールドスプレッドはさらに拡大することが予想されます。

このようなイールドスプレッドの拡大の結果、いくつかの影響が出てくる事が予想されます。

1.長短金利差の拡大によって、金融機関の利益が出やすくなります。景気後退の悪影響もありますが、2Qの銀行決算もそれほど悪くないことが予想されます。

2.事業会社の借り入れコストの増大。景気の底に近い現在は、あまり、影響がありませんが、今後、設備投資が行い難くなるため、景気回復のマイナス要因になります。

3.住宅ローン金利の上昇。低迷している住宅市場に対して悪影響となり、景気回復の足を引っ張ることになります。