米国の人口動態と貯蓄率の関係 その1

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上のグラフは、1929年からの米国の貯蓄率の推移です。

拡大図は、以下のリンクを開いて、最初のグラフをクリックしてください。
The Impact of Changes in the Saving Rate on PCE

1940年代の第二次世界大戦の時期に、一時的に貯蓄率が25%を超えていることが分かります。

また、戦後、一旦、貯蓄率が低下した後、再び、長期に渡って、貯蓄率が上昇して、1974年まで、この傾向が続いています。

そして、1975年以降、貯蓄率はピークアウトして、2008年まで、貯蓄率の低下が続いていましたが、金融危機以降は、再び、急上昇しています。

これらの、貯蓄率の変化は、米国の人口動態の変化に基づきます。

米国の団塊ジュニア世代が就職した1970年代半ばに入ると、貯蓄率が下がっています。
これは、若い世代は、貯蓄よりも消費を好むからです。

そして、団塊ジュニア世代が40歳代に入る1990年代の後半に入ると、本来は、老後の資金確保の為に、貯蓄率が上がるはずでした。

しかし、2008年まで、貯蓄率が下がり続けたのは、住宅と株式のバブルの影響で、団塊ジュニア世代が本来持っている資産よりも大きな資産を持っていると勘違いしたからだと、CR氏は、述べています。

現在、米国の貯蓄率は、上昇していますが、これは、人口動態から見て、本来の姿に戻ったもので、この傾向は、長期的に続くと考えられます。

もし、1970年代半ばの水準に戻るとすると、貯蓄率は、10%に近づくことになります。(平均8%)

そして、米国の貯蓄率の上昇は、個人消費の低下を通じて、経済成長率にマイナスのインパクトを与え続けると考えられます。→その2に続く