投資観 第33回 1965年~1968年の米国の住宅指標の推移

前回は、1965年~1968年の米国債イールドカーブを調べ、1966年後半に逆イールドが出現し、景気後退入りを示唆していたにも関わらず、その後、米国が景気後退に陥らなかったことを発見しました。

今回は、同時期の米国の住宅指標と製造業の指標を調べて、イールドカーブと同様に、これらの指標が景気後退を予測していたかどうかを調べてみます。

まず、以下のグラフは、前回に作成した、1965年~1968年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブです。
新発債にベースを合わせるために、0.15%下方に調整してあります。

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1966年10月に逆イールドが発生していますが、その後の、景気後退は発生していません。

次に、米国の主な住宅指標である、住宅着工戸数の推移を調べます。
以下は、1965年~1968年の米国の住宅着工戸数の推移です。
トレンドを分かり易くするために、12ヶ月移動平均をプロットしています。

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1966年半ばから1967年前半にかけて、住宅着工戸数が急落していることから、住宅指標もイールドカーブと同様に、米国の景気後退入りを示唆していたことが分かります。

さらに、米国の製造業の主要な指標である、ISM製造業業況指数についても、調べてみます。
以下のグラフは、1965年~1968年のISM製造業業況指数の推移です。

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ISM製造業業況指数は、1966年半ばから、右肩下がりになり、1967年1月に、好不況の分かれ目である50を下回りました。イールドカーブや住宅指標と同様に、ISM製造業業況指数も、米国の景気後退入りを示唆していました。

このように、米国の主要な景気後退の先行指標が、いずれもほぼ同じタイミングで景気後退入りを示唆していたにも関わらず、実際には、米国が景気後退に陥らなかった理由は何故なのでしょうか。

次回は、1960年代後半の米国の財政支出の推移を調べて、この理由を探ってみることにします。