書籍 勘定奉行 荻原重秀の生涯 村井淳志著

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ヨーロッパの経済学者が、現在、私達が使っているような、素材価格と名目価格が乖離した名目貨幣の存在に気が付いたのは、19世紀末のことでしたが、荻原重秀は、それよりも、200年前にそのことに気付き、しかも、政策として実行した驚くべき人物でした。


この本は、著者の村井淳志氏が、そんな彼の知られざる数々の偉業を、古文書などの文献を調べ上げて、初めて明らかにしたもので、通貨や経済政策の歴史に関心のある方には、お勧めの一冊です。
また、歴史ノンフィクションとしても楽しめる、良書です。


(出版社/著者からの内容紹介)
長期不況下、天才経済官僚の功罪の真実は?
新井白石の証言によって歴史の悪役に貶められた勘定奉行・荻原重秀。彼の貨幣観の驚くべき先見性に着目しつつ、悪化の一途をたどる江戸幕府の財政建て直しに苦闘した謎の生涯を描く。