欧州で導入が進むLNG燃料船

石油エネルギー情報センター(JPEC)が、欧州で導入が進むLNG燃料船について、レポートしています。


・現在、欧州ではノルウェー及びバルト海沿岸国でLNG 燃料フェリーの導入が進んでいる。特にノルウェーでは2007 年以降、公共フェリーへのLNG 燃料船の導入が急速に進んでおり、本年9 月現在で14 隻が就航している。

ノルウェー政府のLNG 燃料フェリーの導入政策は窒素酸化物(NOx)対策の一環である。同国は、国連の長距離越境大気汚染条約に関連したヨーテボリ議定書に定められたNOx 排出量の上限を遵守するために強力なNOx 対策が必要になっている。

バルト海沿岸国ではフェリー会社がLNG 燃料フェリーの導入を決め、既に建造を始めている。

・このような欧州でのLNG 燃料船の導入の動きは北米沿岸海域に波及している。例えばRoyal Dutch Shell の米国子会社Shell Oil とフィンランドの大手エンジンメーカーWärtsilä は本年9 月に、米国沿岸等でのLNG 燃料船の導入拡大に関する協力協定を結んでいる。

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今後、船舶から排出されるNOxやCO2に対する国際的な規制が強化される可能性があり、その場合は、LNG燃料船も重要な選択肢の一つになってくると考えられます。