JOGMECが、急増している中国の小型LNGプラントについて、分析しています。
・2001年以降中国各地で小型のLNG液化プラント(1万~36万トン/年)が建設されている。稼働中35プラントの液化能力を合計すると約300万トン/年となり、中国の標準的なLNG受入基地1基地に相当する。ただし供給の不足により稼働率は6割以下の模様。
・小型LNGプラント隆盛の背景として、導管整備の遅れと自動車用CNG(圧縮天然ガス)需要の伸びがあげられる。中国政府は石油消費抑制の観点からCNGなどの石油代替品を奨励しており、CNGをはじめとする石油代替品はガソリン消費の1割、軽油消費の2.5%を占める存在に成長している。
・新疆広匯のシャンシャンプラント(36万t/年)のように数千km離れた広東などのサテライト市場にローリーによる供給を行っている事業者がある。導管整備の遅れで高値のサテライト市場が形成されており、ローリーの輸送費を加味してもサテライト市場への供給は経済性がある模様。鉱区毎の生産量が少なく、幹線パイプライン建設が見合わないCBMもCNG向け小型LNG液化プラントで商業化を実現した。
・しかし小型LNGはあくまで輸入LNGや幹線パイプラインの補完という存在で、今後東部や南部沿海地域でLNG受入基地や幹線パイプラインの建設や導管整備が進むにつれ、小型LNG液化プラントのサテライト供給における役割は限定的になると思われる。政府は7月に「都市液化天然ガス(LNG)プラント建設基準」を公布(2011年12月1日)、供給源を確保せず、無秩序に計画された小型LNGプラント計画は見直される可能性がある。
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中国で、CNG(圧縮天然ガス)車が、これほど、普及しているとは知りませんでした。
新疆から広東まで、数千キロをタンクローリーで、天然ガスを輸送しても、採算が取れるというのですから、内陸部と沿海部の経済格差は、相当なものだと思います。
新疆から広東まで、数千キロをタンクローリーで、天然ガスを輸送しても、採算が取れるというのですから、内陸部と沿海部の経済格差は、相当なものだと思います。
内陸の油田で発生する随伴ガスを、フレアリングと言って、ただ、燃やしている米国よりも、資源の有効利用という点では、中国の方が優れているようです。