前回までの複数回にわたって、1980年前後の商品/債券循環のピーク/ボトムにおけるFF金利ならびに通貨供給量の推移と、CPI、PPIの関係を分析してきました。
今回は、これらの関係を一旦、一般化して整理しておこうと思います。
注)今回のFF金利と通貨供給量に関する分析は、取得データの範囲の制約から、商品循環と長期金利のピークが重なった1980年に限定されることに留意してください。他の商品循環のピークに適合するかどうかは、さらに、慎重な分析が必要であると考えています。
1.通貨供給量とCPIの関係の一般化
1981年の長期金利のピーク(債券循環)を基点にして、1980年前後の通貨供給量の推移と、CPIの関係を時系列で一般化すると、以下のとおりです。
(1)長期金利のピークの10年前→8年前
資金供給量(M2)の伸びが、2年以上の間、前年同月比で10%を上回る。・・・暦日では、1971年3月~1973年7月の間。
(2)長期金利のピークの7年前→6年前
CPIの伸びが、1年以上の間、前年同月比で10%を上回る。・・・暦日では、1974年2月から1975年4月の間。
(3)長期金利のピークの6年前→4年前
資金供給量(M2)の伸びが、2年以上の間、前年同月比で10%を上回る。・・・暦日では、1975年7月~1977年12月の間。
(4)長期金利のピークの2年前→ピーク年
CPIの伸びが、1年以上の間、前年同月比で10%を上回る。・・・暦日では、1979年1月から1981年6月の間。
【予測】
次回の長期金利のピークが、1981年から60年後の2041年だと仮定すると、その、10年前の2031年から、資金供給量の10%を超える伸びが始まる、と予測されます。
2.通貨供給量とPPIの関係の一般化
1981年の長期金利のピーク(債券循環)を基点にして、1980年前後の通貨供給量の推移と、PPIの関係を時系列で一般化すると、以下のとおりです。
(1)長期金利のピークの1年前
通貨供給量(M2)のボトムと、同タイミングに、PPIがピークアウトする。・・・暦日では、1980年4月。
【予測】
次回の長期金利のピークが、1981年から60年後の2041年だと仮定すると、その、1年前の2040年に、通貨供給量(M2)がボトムを付け、同時にPPIがピークアウトすると、予測されます。
3.FF金利とCPI、PPIの関係の一般化
1981年の長期金利のピーク(債券循環)を基点にして、1980年前後のFF金利の推移と、CPI,PPIの関係を時系列で一般化すると、以下のとおりです。
(1)長期金利のピークの1年前
FF金利の1回目のピークと、同タイミングに、CPIとPPIがピークアウトする。・・・暦日では、1980年4月。
【予測】
次回の長期金利のピークが、1981年から60年後の2041年だと仮定すると、その、1年前の2040年に、FF金利が一回目のピークを付け、同時にCPIとPPIがピークアウトすると、予測されます。
次回からは、長期金利の長期推移と商品循環の関係を調べていこうと考えています。