前回までに、商品循環の1周期の長さが、鉱山や油田開発の参入コストから計算すると、約28年となることが分かりました。
また、商品循環は、前方に短く、後方に長いテールを持ち、後方テールの長さは、経験的に20年から25年に及ぶと推測しました。
今回からは、複数回にわたって、実際の過去三回の商品循環を調べて、1周期の期間や、テールの長さを測定することにします。
まず、始めに、商品循環の山と谷を決めるための指標を、以下の三つの候補の中から選択します。
1.商品インデックス
(1)利点
・複数の商品から構成される上、重要度に応じた重みが付けられており、商品全体の価格動向を表す指標として、客観性が高い。
・構成比や構成銘柄が定期的に、見直されており、継続性も高い。
・構成比や構成銘柄が定期的に、見直されており、継続性も高い。
(2)欠点
・最も歴史の古いCRB指数の計算が開始されたのが、1957年であり、それ以前のデータが存在しない。
2.オリジナルの商品インデックス
原油やトウモロコシなど個別の商品価格から、独自に構成比を決めて、商品インデックスを組成する方法。
(1)利点
・価格データが残っている限り、過去に遡る事が可能。
(2)欠点
・複数の商品の正確な価格データが同時に残っている必要があるが、1950年代以前は、その保証が無い。
・構成比を自分で決めた場合、客観性に問題が出る。例えば、1920年代の原油価格の重みを何パーセントにしたら良いか実際のところ分からない。
・構成比を自分で決めた場合、客観性に問題が出る。例えば、1920年代の原油価格の重みを何パーセントにしたら良いか実際のところ分からない。
3.PPI(生産者物価指数)
(1)利点
・1910年代からのデータが継続して残っている。
・政府統計であり、客観性、信頼性が高い。
・時代の変化に伴う品目の見直しが適宜、行われており、継続性も高い。
・政府統計であり、客観性、信頼性が高い。
・時代の変化に伴う品目の見直しが適宜、行われており、継続性も高い。
(2)欠点
・物価指数であり、価格を直接に表したものでは無い。そのため、PPIの変化率などから、間接的に価格を推測せざるを得ない。
・自動車部品や家具、アパレル製品など、直接、商品とは関連しない品目が含まれる。
・自動車部品や家具、アパレル製品など、直接、商品とは関連しない品目が含まれる。
4.比較・検討
まず、過去のデータが無いという商品インデックスの欠点と、構成比を客観的に決められないというオリジナルの商品インデックスの欠点は、致命的な欠点なので、両者は対象外とします。
最後のPPIの欠点は、致命的とまでは言えないので、商品循環の指標としては、PPIを使用することに決定します。
最後のPPIの欠点は、致命的とまでは言えないので、商品循環の指標としては、PPIを使用することに決定します。
次回は、実際のPPIのデータをダウンロードして、変化率を計算する手順を説明します。