1.米国株式の長期チャート
上の最初のチャートは、1983年から2008年までの米国株S&P500指数の推移です。
2000年と2007年に株価のピークを付けています。
2000年と2007年に株価のピークを付けています。
株式の長期チャートの特徴は、前方にテールが長く、ピークを過ぎると、価格が急落し、後方のテールが短くなることです。
2.商品の長期チャート
二番目のチャートは、1956年から2007年までのCRB商品指数の推移です。
1980年に商品価格のピークを付けて、2000年頃から再び強気相場に入っています。
1980年に商品価格のピークを付けて、2000年頃から再び強気相場に入っています。
商品の長期チャートの特徴は、前方のテールは短く、ピークを過ぎると、非常に長いテールが後方に続くことです。
商品の後方テールの期間は、通常、20年から25年の間、続きます。
3.景気循環の需要を動かすもの
景気循環の需要を動かすものは、革新的な工業製品やサービスの普及です。
例えば、パソコンや携帯電話などの情報機器は、普及率がゼロから始まって、価格下落と大量生産により、大半の人に行き渡ると、需要が一気に半減することも、珍しくありません。
企業は、需要の急減で在庫を抱え込むと、生産設備や人員のリストラに着手して、生産活動が停止あるいは大幅に減速します。
株式の長期チャートの特徴である、短い後方テールは、このような景気循環の需要の特徴から来るものです。
4.商品循環の需要を動かすもの
商品循環の需要を動かすものは、新興国の経済成長です。
成長が減速しても、消費されるエネルギーや食糧などの量は、あまり変らないため、商品に対する需要も、緩やかに減少して行きます。
商品の長期チャートの特徴である、長い後方テールは、このような商品循環の需要の特徴から来るものです。
5.商品の後方テールと強気相場の関係
過去三回の商品循環を分析すると、後方のテールの長さは、20年から25年となっており、これは、商品が強気相場に入る時期を予測する上で、重要な指標と考えられます。
例えば、商品ブームのピークから20年を経過して、商品価格の上昇が見られた場合は、強気相場に入った兆候と考えることが可能です。
次回は、過去の商品循環のピークとボトムの時期を決める方法について、検討してみます。