2010/8 米・雇用統計 失業率 9.6% 雇用者数 5.4万人減

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労働省が発表した2010年8月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が5.4万人の減少、失業率は前月から0.1%上昇して、9.6%となりました。
非農業部門の雇用者数から、国勢調査の為の臨時政府職員を除いた純粋な民間部門の雇用者数は、6万人の増加となります。


上の最初のグラフは、1960年からの失業率の推移です。
拡大図は、以下のリンクを開いて、最初のグラフをクリックしてください。
August Employment Report. 60K Jobs ex-Census, 9.6% Unemployment Rate

上の二番目のグラフは、米国の過去の景気後退で、雇用者数が減少を始めた月を起点にして、何ヶ月目に何%の雇用が失われているかを表したグラフです。

矢印で示した赤い実線が、現在の景気後退における、雇用者数の推移です。
右端の赤い点線は、非農業部門の雇用者数から、国勢調査の政府臨時職員の数を減らしたものです。
国勢調査の終了によって、臨時職員が解雇されたために、両者が接近して来ました。

今回の景気後退では、雇用者数の減少開始から、2010年8月時点で、32ヶ月目に入っており、約5.6%の雇用が失われています。
グラフからは、雇用者の減少は、底入れしていることが分かります。

今後は、過去の景気後退と同様に、底入れまでにかかったのと同じ月数をかけて、元の水準に戻っていくと考えられ、その時期は、2012年の前半と予想されます。

【個別部門】
製造業:+3.6
建設業:-2.7
サービス部門:+6.7
人材派遣:+1.68
政府:-12.1

単位:万人

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今回の雇用統計は、良い点と悪い点が混在しています。
6月と7月の統計値の改定や製造業の労働時間の増加などは、良い点でした。
一方で、パートタイムの増加、国勢調査要員を除いた雇用者数の増加数が低水準であることは、悪い点です。
全体的には、米国の雇用の回復力が依然、弱いと言えます。