サウジアラムコ 国内消費の増加による輸出の減少について懸念を表明

サウジアラムコのCEOが、サウジの原油の国内消費費の増加について、発言しています。


・長い年月に渡って、世界の原油生産量の調整役であったサウジアラビアが、国内需要の増加によって、いずれ、その役割が果たせなくなると、サウジアラムコのCEOであるカリド・アルハリ氏が、同社のホームページで、表明しました。

・サウジの国内需要は、2009年の日量340万バレルから、2028年には、日量830万バレルと、約250%の伸びが見込まれています。

・その結果、「サウジの輸出能力に影響が出て、2028年の輸出量は、日量300万バレルまで落ちるだろう。」アルハリ氏は述べています。

・バークレイ・キャピタルの石油アナリストであるアムリタ・セン氏は、サウジの重要性は変わらないが、今後、数年で、余剰生産量は、侵食されるだろう、と述べました。

・一方で、VTBキャピタルのアナリストであるアンドレイ・クルチェンコフ氏は、「彼らは、自分たちの経済の事を述べているだけで、原油価格の上昇を狙っているだけだ。」と述べました。

・クルチェンコフ氏は、「サウジアラムコは、2009年に大規模な石油開発を行っている。また、ペルシャ湾以外に、紅海においても、開発を始めた。」と述べています。

・クルチェンコフ氏は、また、「1948年から生産を開始し、現在でも、輸出量の55%から60%を占めているガワール油田は枯渇し始めている。今後、急速に減退が加速するだろう。国内消費の増加よりも、深刻な問題だ。サウジの減退率は、年5%で、国内消費の増加率は、2%であり、ネットで15%の輸出減となるが、現時点では、表面化していない。」と述べています。

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サウジアラムコのCEOの発言の意図は、不明ですが、今後も、サウジの生産量に注目すべきだと思います。