米軍が2015年までの深刻な石油供給不足の発生を警告

アメリカの統合戦力軍(US Joint Forces Command)が、2010年の年次報告書において、2015年までに世界の石油の供給不足が顕著となり、それを契機に世界各地で緊張が高まることを警告しました。


アメリカ軍は、「2年以内に世界の原油供給は、需要を下回り、2015年には、深刻な供給不足に陥り、これが、世界の政治経済に打撃を与える。」と警告しています。

・上級司令官のジェームス・N・マティス将軍は、「2015年における不足量は、日量1000万バレルにほぼ近づくだろう。」と述べました。

・供給不足による政治・経済・戦略上の影響は、未知だが、先進国も開発途上国も成長率の低下は免れない。

・その結果、いくつかの最貧国が破綻する可能性が高く、インドや中国も大きな影響を受けるだろう。

・年次報告書では、経済混乱が全体主義国家を生み出すリスクも指摘しています。

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同じ米国政府でも、エネルギー省は、「ピークオイルの発生は数十年先だ。」と言っているので、意見が統一されていません。
個人的には、エネルギー省の言い分は楽観的過ぎると思います。

また、この年次報告書では、エネルギー危機の他に、食糧不足、水不足、気候変動、疫病の発生なども警告しています。
比較的に平易な英語で書かれているので、一度、読んでみると、米軍が何を考えているのか分かって面白いと思います。

ちなみに、主な単語の記述数をカウントすると以下のとおりです。
Russia...67
China...65
oil...46
Japan...30
Iran...22
climate change...6
North Korea...5
米軍が対処すべき対象の優先順位が、漠然と分かります。