外貨準備高の信頼性が高い理由

WikiPedia等で理由を調べて以下にまとめました。

各国の外貨準備の増減は、経常収支、資本収支とともに、国際収支統計表の中で公表されています。

国際収支統計は、日本を含む世界のほとんどの国・地域において、IMF国際収支マニュアルに基づいて作成されているため、各国の経済取引関係、対外債権・債務の状況等を、比較することができます。

国際収支統計は、損益方式ではなく収支方式で記載され、企業会計に置き換えると、キャッシュ・フロー計算書に類似した記述方法が取られています。

キャッシュ・フロー計算書と対比すると、貿易収支が営業キャッシュフローに、経常収支が営業・財務・投資キャッシュフローの合計に、外貨準備の増減が現金預金の増減に、それぞれ置き換えられます。

作成の際は簿記と同様の複式計上方式をとっている点が特徴で、取引が記録される際は必ず貸方と借方に同額の計上がなされます。

(計上の具体例)

 輸出により代金を受け取った

 (貸)輸出(貿易収支)××× /(借)現預金(投資収支)×××

 輸入により代金を支払った

 (貸)現預金(投資収支)××× /(借)輸入(貿易収支)××× 

 政府が、外貨買い介入を行った。

 (貸)現預金(投資収支)××× /(借)外貨準備 ×××

 注)収支会計であるために、貸方を左に、借方を右に記載されます。

このような、複式計上により、経常収支+資本収支+外貨準備増減は常にゼロとなります。
さらに、各国の統計を同時点で合わせると、貿易収支やサービス収支がバランスします。

もし、各国の政府が、意図的に自国の外貨準備の数字を操作すると、バランスが合わなくなるか、バランスを合わせたとしても、貿易収支などが、取引相手国と合わなくなり、不正が分かってしまいます。

従って、外貨準備は政府統計の中では、信頼性が高く、政府が嘘を付けない数少ない統計の一つだと言えます。