今回は、前回、ダウンロードした株価指数データ(S&P500)を使って、景気の山と株価のピークの関係を分析してみます。
【これまでの経過】
第1回 金利データのダウンロード
第2回 金利データの内容と編集
第3回 Accessデータベースの作成
第4回 Accessデータベースへの金利データの格納
第5回 不要データの削除
第6回 イールドスプレッドを求める
第7回 逆イールドのデータを抽出する
第8回 逆イールドと景気後退との関係
第9回 株価指数データのダウンロードとデータベースへの格納
第1回 金利データのダウンロード
第2回 金利データの内容と編集
第3回 Accessデータベースの作成
第4回 Accessデータベースへの金利データの格納
第5回 不要データの削除
第6回 イールドスプレッドを求める
第7回 逆イールドのデータを抽出する
第8回 逆イールドと景気後退との関係
第9回 株価指数データのダウンロードとデータベースへの格納
1953年7月
1957年8月
1960年4月
1969年12月
1973年11月
1980年1月
1981年7月
1990年7月
2001年3月
2007年12月
1957年8月
1960年4月
1969年12月
1973年11月
1980年1月
1981年7月
1990年7月
2001年3月
2007年12月
図1 株価指数のピークを抽出するクエリの作成
まず、上記の最初の景気の山(1953年7月)に対応する株価のピークを抽出するクエリを作成します。
【手順】
1.S&P500テーブルを選択
2.取引日をドロップ
3.取引日の範囲に、景気の山の2年前から1年後の日付(1951年7月1日~1954年7月1日)を入力
>#1951/07/01# And <#1954/07/01#
4.指数をドロップ
5.最大の指数を先頭に表示させるために、指数の並び替えを、降順に設定
1.S&P500テーブルを選択
2.取引日をドロップ
3.取引日の範囲に、景気の山の2年前から1年後の日付(1951年7月1日~1954年7月1日)を入力
>#1951/07/01# And <#1954/07/01#
4.指数をドロップ
5.最大の指数を先頭に表示させるために、指数の並び替えを、降順に設定
図2 クエリによる株価指数の最大値表示
1954年6月29日の29.43が、1953年7月の景気の山に対応する株価のピークとなります。
図3 全ての株価ピーク抽出クエリの作成
上の手順と同様に、全ての景気の山に対応する株価ピーク抽出クエリを作成して、株価のピークを求めます。
【結果】
景気の山→株価のピーク(月数の差)として表示すると、以下のようになります。
景気の山→株価のピーク(月数の差)として表示すると、以下のようになります。
1953年7月→1954年6月(+11)
1957年8月→1956年8月(-12)
1960年4月→1961年3月(+11)
1969年12月→1968年11月(-13)
1973年11月→1973年1月(-10)
1980年1月→1979年10月(-3)
1981年7月→1980年11月(-8)
1990年7月→1991年4月(+9)
2001年3月→2000年3月(-12)
2007年12月→2007年10月(-2)
1957年8月→1956年8月(-12)
1960年4月→1961年3月(+11)
1969年12月→1968年11月(-13)
1973年11月→1973年1月(-10)
1980年1月→1979年10月(-3)
1981年7月→1980年11月(-8)
1990年7月→1991年4月(+9)
2001年3月→2000年3月(-12)
2007年12月→2007年10月(-2)
上の結果から以下のように、分析できます。
・株価は、7割の確率で、景気の山に先行して、ピークアウトしている。
・ピークアウトの時期は、13ヶ月前から2ヶ月前と、まちまち、である。
・従って、株価のピークアウトを一年後に認識した時には、既に、景気後退に陥っている可能性が高い。
・もし、景気後退の前に、株価のピークアウトを認識しても、景気の山が何時になるかを予測することは、難しい。
・また、株価は、3割の確率で、景気の山に遅れて、ピークアウトしている。
・この時には、先行指標としての価値は無い。
・株価は、7割の確率で、景気の山に先行して、ピークアウトしている。
・ピークアウトの時期は、13ヶ月前から2ヶ月前と、まちまち、である。
・従って、株価のピークアウトを一年後に認識した時には、既に、景気後退に陥っている可能性が高い。
・もし、景気後退の前に、株価のピークアウトを認識しても、景気の山が何時になるかを予測することは、難しい。
・また、株価は、3割の確率で、景気の山に遅れて、ピークアウトしている。
・この時には、先行指標としての価値は無い。
結論としては、景気の山の4Q~5Q前に現れる逆イールドと比べて、株価は景気の山の先行指標として有効性が低いと言えます。
次回は、株価と景気の底の関係性について、調べてみます。