京都大学 植物繊維の全てを分解する細菌(クロストリジウム属菌)を発見

京都大学三重大学の研究グループが、住友商事の強力のもとで、植物繊維をほぼ残らず分解し、バイオ燃料のもとになる糖に変えられる細菌を見つけました。


稲わらや木屑などの非食系の植物からバイオエタノールを作る場合、植物の繊維を酵素や硫酸などで分解して、糖に変える糖化という前処理が必要です。

植物の繊維には、セルロースとヘミセルロースの二種類がありますが、ヘミセルロースの分解は硫酸の回収などにコストがかかるために、従来法では、セルロースのみを原料としていました。

今回、京大の植田教授らは木くずなどに含まれる「クロストリジウム属菌」の一種が2種類の繊維成分を同時に分解することを見つけました。
この結果を応用すると、セルロースのみを原料とする現在の従来法よりも、バイオ燃料の生産量を二倍程度に増やすことが可能となります。

上の記事によると、100キログラムの稲わらから約30リットルのエタノールが得られる計算になり、これは、従来技術の二倍以上の収量になるということです。

なお、研究グループは菌のゲノムデータをもとにヘミセルロースの分解に関与する複数の遺伝子とその機能を解明し、特許出願しました。

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最近、非食系バイオエタノールの新技術の発表が目立つようになってきました。
5年以内の実用化に向かって、着実に進んでいる気がします。