セジロウンカがイネの白葉枯病を防ぐ 京大など発見

イメージ 1

イネが、セジロウンカに食べられると、白葉枯病にかかりにくくなるメカニズムを京都大や香川大の研究チームがつきとめました。


セジロウンカは東南アジアの稲作における主要な害虫の一種で、中国やベトナムで特に大きな被害を与えています。

日本では、栽培されているイネの品種が産み付けられた卵を殺してしまう作用を持つこともあり、セジロウンカは、それほど重要な害虫となっていません。

逆に、セジロウンカの発生面積が多い年には、日本の稲作において最も深刻な病気である、いもち病の発生が少ない傾向があります。

今回、研究チームは、セジロウンカの加害でのみ強く発現する遺伝子を多数発見し、イネの中で青葉アルデヒドと呼ばれる物質が大幅に増えることにより、白葉枯病にかかりにくくなることを発見しました。

今後、遺伝子組替えによって、うまくイネの品種改良ができれば、農薬に頼らず病気に強いイネができることが期待されます。

◆◆◆

白葉枯病は日本ではそれほど重要な病害ではありませんが、東南アジアなどでは最も深刻な病害のひとつになっています。

もし、白葉枯病に耐性のあるイネが出来れば、東南アジアの食糧増産に大きく貢献できます。

また、ウンカ加害による植物の変質は、イネばかりではなく、お茶でも発生します。
台湾では、ウンカの被害にあった茶は、風味が良いと言われており、「東方美人茶」というブランドの高級烏龍茶として、高値で売られています。