IEA 2009年版世界エネルギー見通し(World Energy Outlook 2009)

IEAが2009年版の世界エネルギー見通し(World Energy Outlook 2009)を発表しました。


ざっと、内容を見たところ、気が付いたのは以下の三点です。

・12月にコペンハーゲンで開催される国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での温室効果ガス規制の合意を強く促しており、政策変更がなければ化石燃料の使用が大幅に増えるとの見方を、レポートの最初から最後まで、繰り返して何度も述べています。

・在来型、非在来型を含めた天然ガスの埋蔵量は豊富にあり、供給過剰の恐れさえあるということを、豊富なデータを提示して、説明しています。

・専門家の関心が高い、既存油田の減退や石油の埋蔵量についての話が、概要版には見当たりません。

このレポートでは、IEAは、国際的なエネルギー機関という本来の役割を果たしていないと思います。

さらに、世界エネルギー見通し(World Energy Outlook 2009)の発表と、時を合わせて、英紙ガーディアンが、IEAの「内部告発者」の話として、世界は、国際エネルギー機関(IEA)の予測が認めるよりも、石油供給のピークに近い、と報じました。


●引用開始
IEAは10日、世界エネルギー見通しを公表する予定。2008年の見通しでは、世界の石油供給量は2030年に日量1億0600万バレルに増加する、と予想している。
 同紙によると、このIEA関係者は、「(IEA)組織内部の関係者の多くは、石油供給量を日量9000万─9500万バレルに維持するのでさえ不可能だとみているが、この数字が一段と引き下げられた場合、金融市場にパニックが広がると危ぐしている」と語った。(ロイター)
●引用終了

レポートからも感じ取れますが、IEAは、石油の供給については、あまり、触れたくないようです。