関志雄さん 2026年にも中国が世界一のGDP大国へ

関志雄さんが、中国経済の将来像に関して、ロイターのコラムに寄稿しています。


・これまでの30年間、中国が年率10%に近い高成長を遂げたのは、改革開放を通じて、後発性のメリットと豊富な労働力という比較優位を生かしてきたからである。

・2015年以降には生産年齢人口の増加率がマイナスに転じることにより、生産要素である労働力の供給が減る一方で、高齢化の進展によって貯蓄率も下がると考えられる。

・幸いなことに、現在の中国は、1人当たりGDPがまだ日本の1割程度と、先進国との経済格差が依然として大きく、市場化、工業化・サービス化・都市化、国際化において後発性のメリットを発揮できれば、今後も長期にわたって、先進国を大幅に上回る成長率を達成できるだろう。

・このような後発性のメリットは、中国が先進国に近づくにつれて薄れることを合わせて考えると、中国経済の成長率は2020年まで年率8%、2020年代に6%、2030年以降は5%で推移すると見ておきたい。

・仮に今後、人民元がドルに対して(実質ベースで)年率2%上昇すれば、2026年にも中国が米国を抜いて世界一のGDP大国になる。

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もし、中国が、2020年まで年率8%の高度成長を続けると、その間、鉱物資源やエネルギー、農産物に対しても、大きな需要の伸びが生まれることになります。
最短でも、あと、10年は、商品の強気相場が続くことが予想されます。