中央アジアで天然ガス資源を巡る各国の攻防が激化

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中央アジア天然ガス資源を巡る各国の攻防が激しくなってきました。
さながら、グレート・ゲームの様相を呈しています。


・ロシアのGazpromのミレル社長は6月末、アゼルバイジャンの国営石油会社Socarから、2010年以降、年間0.5Bcmのガス供給を同社が受けることで合意したと発表しました。

アゼルバイジャンのシャーデニス・ガス田(第2フェーズ)からの供給については、同国政府は、いまだに供給ルートを決定せず、引き続き、経済的に最も有利な輸送ルートの「品定め」をしています。

・7月13日にはロシアを経由しないルートであるナブッコ・パイプライン建設に向けた政府間合意(Inter-Governmental Agreement = IGA)が締結されました。通過国(トルコ、ブルガリアルーマニアハンガリーオーストリア)が調印し、法的な基礎が固められ、パイプライン建設に向けて大きなステップとなりました。

・しかし、どの地域(カスピ海周辺国やイラク北部)を天然ガスナブッコ・パイプラインに供給するかは、まだ、決まっていません。

アゼルバイジャンのシャーデニス・ガス田の権益を持つSocarやアゼルバイジャン政府、そしてBPやStatoilHydroなどのパートナーたちが、シャーデニス第2期開発のガスをどの輸送ルートで出荷しようとするかが今後の鍵になります。

・トルコはナブッコを通過するガスの15%を優先的に受け取る条件を提示していますが、他国の同意は得られていません。

・シャーデニス・ガス田関係者は、ガス供給開始は最も早くて2015~2016年としています。