UAE 国内需要向けにサワーガスの開発に着手

中東のUAEが、国内の天然ガス需要の急伸を受けて、非在来型のサワーガスの開発に着手したというレポートです。


UAEでは国内の天然ガス需要の急増に伴い、これまで手付かずであったサワーガスの開発が活発化している。

・シャー油田のサワーガス開発プロジェクトは、UAE初のプロジェクトとして注目を集めている。

・2008年夏時点でのプロジェクト総費用は100~130億ドルと試算され、経済性が疑問視されていたが、同年秋以降の経済危機の影響により開発コストが大幅に低下し、最近再び動きが活発化している。

・世界初となる長距離のイオウ輸送パイプラインの敷設、最新技術を駆使した世界最大のガス処理・イオウ回収施設などが計画されており、サワーガス処理およびイオウ回収産業における新しい標準仕様を構築する可能性がある。

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サワーガスとは、イオウ化合物を多く含むガスを言い、イオウ化合物の主体は硫化水素です。世界的な残存可採埋蔵量は膨大ですが、含まれる硫化水素が、生体に及ぼす危険性が高いことや、生産に伴う坑内機器や地上施設の耐腐食性を保つために高価な特殊鋼を必要とすることから、一般に従来型の天然ガスと比較して開発が困難とされています。

中東諸国の中でも、サウジやUAEは、国内の天然ガス生産が少なく、人口の増加と経済の発展で増大するエネルギー需要を満たすために、サワーガスの開発や原子力発電の導入など、従来の天然ガス以外のエネルギー開発を急いでいます。