米国債の主要購入先に、家計が浮上

イメージ 1

イメージ 2

著名ブロッガーの Brad Setser が、米国債の購入先の分析をしています。


上の最初のグラフは、米国の借り入れの伸び率の推移です。
青い線が、企業と家計の合計で、赤い線が、政府の借り入れの伸び率です。
民間部門(企業と家計)に代わって、政府部門による借り入れが伸びていることが分かります。

二番目のグラフは、米国債の購入先別の購入額の推移です。
青が家計、茶色が海外、緑色が中央銀行、紫色が民間金融機関、オレンジ色がその他です。
米国債の購入先が、海外から家計に移っていることが分かります。

【本文要約】

・米国の非金融セクターの2009年1Qの借り入れは、1.4兆ドル弱となり、昨年同期の1.8兆ドルから大幅に減少した。

・米国の連邦政府と地方政府の借り入れは、合わせて1.4兆ドルに達した。

・企業と家計の借り入れは、合わせて2000億ドルと大幅に減少した。

・その結果、海外からの借り入れが大幅に減り、2009年1Qの経常収支の赤字は、3000億ドルとなった。

・海外からの米国債の購入需要は、減っていないが、米国債の増発ペースに追いつくほどは、伸びていない。

・それでは、いったい、誰が米国債を買っているのか?
 答えは、家計である。

・危機が発生する以前は、米国債の増発は、海外の需要が全て吸収していた。

中央銀行の買い入れは増えているが、海外の中央銀行は、もはや、米国債の全ての米国債を買おうとはしない。

・米国民は、貯蓄を始めた。その結果、プールされた資金は、ファンドを通じて、貸し出しに回っている。

・しかも、資金は、金融セクターでは無く、米国債に向かっている。

・2008年末には、家計の資金に基づく投資信託が、米国債の主要な購入先であった。

・2009年の1Qには、家計自身が、米国債の主要な購入先となった。