上のグラフは、Phoenix氏(仮名。オーストラリア政府のエネルギー関係機関に勤めている技術者らしい)が、2006年に提唱した需給予測モデルに基づく原油価格の予想グラフです。2006年以降の原油価格を、ほぼ、正確に予測していることから、最近、注目されています。
この需給予測モデルは、以下の前提で構成されています。
【供給】
単純なベル曲線に1~3のパラメータを代入する。
1.2007年に日量8500万バレルでピークに達する。
2.可能採掘残量は、8,500億バレルである。
3.2020年までの予想減退率は、2.7%である。
さらに、以下の代替エネルギーの影響を加味する。
・代替化石燃料・・・オイルサンド、CTL、GTL等
・再生可能エネルギー・・・バイオエタノール、風力発電、太陽電池等
【需要】
需要を以下のグループに分割して、それぞれの価格感応度を計測する。
1.OECD諸国と非OECD諸国
2.上のグループをさらに以下のサブグループに細分化する。
・個人輸送部門
・公共輸送部門
・暖房
・工業
・海上輸送部門
・空輸部門
・軍事
・発電
・石油製品
【モデル】
上記の需給を比較して、供給が制約される中で、需要を抑制するために、どの程度の価格上昇が発生するかという観点でモデルを作成する。
なお、Phoenix氏は、現在、一般的に用いられている石油掘削コストから原油価格を予想する手法を、非技術的な手法だと批判しています。
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