投資観 第29回 1968年~1971年の米国債イールドカーブと米国株の関係

前回は、1968年~1971年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブを調べました。

今回は、同時期の米国債イールドカーブと米国株の関係について、調べてみます。

以下のグラフは、前回に作成した1968年~1971年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブです。
新発債にベースを合わせるために、0.20%下方に調整してあります。

イメージ 1


1969年8月の逆イールドの発生が、その後の、景気後退の先行指標となっています。
従って、逆イールドの発生した時点で、株式を売却すれば、その後の景気後退による株価下落を避けることが期待できます。

さらに、景気後退が終了した時点で、株式を買い戻せば、その後の景気回復による株価上昇を享受することが期待されます。

米国の景気後退の終了の先行指標として、最も有効な指標は、化学活動バロメータ(CAB)です。
以下のグラフは、1968年~1971年の化学活動バロメータ(CAB)の三ヶ月移動平均の推移です。

イメージ 2


化学活動バロメータ(CAB)の三ヶ月移動平均は、景気後退の終了から4ヶ月先行して、1970年8月に底入れしています。

統計発表のタイムラグを考慮すると、1970年10月に底入れの確認が可能であり、そのタイミングで株式を買い戻すことが出来ます。

以下のグラフは、1968年~1971年の米国株のS&P500指数の推移です。
逆イールドの発生とCABの底入れ確認のタイミングを矢印で記入しました。

イメージ 3


逆イールドの発生時点で株式を売却して、CABの底入れを確認した時点で、株式を買い戻した場合、この時期には、1割強の株価下落を避けることが出来たと考えられます。

従って、この時期において、米国債イールドカーブは、株式売買の指標としても、比較的に良く機能していたと言えます。

次回は、この時期(1968年~1971年)における住宅統計など、他の経済指標に推移について振り返ってみたいと思います。