FRBが見ている統計データ

FRBが、どのような統計データに基づいて、今後、QE3(米国債の購入)の停止に踏み切るかについて、Calculated Risk が見解を述べています。
 
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上のチャートは、最新の米国のGDPの推移とFOMCの予測です。
 
FOMCの最新の予測では、2012年Q4から2013年Q4にかけての、実質GDPの伸び率は、2.3%(青い点線)から2.6%(青い実線)としています。
 
2013年のQ1の実績値は、FOMCの予測とほぼ、一致していましたが、最近の統計データからは、Q2のGDP成長率(赤い斜線・棒グラフ)は、1.8%程度となり、FOMCの予測を下回ることが、ほぼ、確実視されています。
 
従って、次回のFOMCまでに、当初の予測値までGDPの伸びを回復させるためには、2013年後半に大幅に成長率が伸びている必要があります。
 
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上のチャートは、最新の米国の失業率の推移とFOMCの予測です。
 
FOMCの最新の予測では、2013年Q4の失業率は、7.2%(青い点線)から7.3%(青い実線)としています。
5月までの雇用統計では、FOMCの予測とほぼ一致していますが、これは、労働力率が、63.6%から63.4%に低下したことが原因です。
もし、労働力率が現在の水準に留まっていた場合、FOMCの予測している失業率まで低下するためには、今後、大幅な雇用者数の増加が必要になってきます。
 
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上のチャートは、最新の米国のPCE(個人消費支出)の推移とFOMCの予測です。
 
FOMCの最新の予測では、2012年Q4から2013年Q4にかけての、PCE(個人消費支出)の伸び率は、0.8%(青い点線)から1.2%(青い実線)としています。
しかし、4月までのQ2の実績値(赤い斜線・棒グラフ)では、FOMCの予測ならびに2%のインフレ目標を大幅に下回っています。
 
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上のチャートは、最新の米国のコアPCE(コアPCE価格指数)の推移とFOMCの予測です。
 
FOMCの最新の予測では、2012年Q4から2013年Q4にかけての、コアPCE(コアPCE価格指数)の伸び率は、1.2%(青い点線)から1.3%(青い実線)としています。
しかし、4月までのQ2の実績値(赤い斜線・棒グラフ)では、FOMCの予測ならびに2%のインフレ目標を大幅に下回っています。
 
今年の12月時点において、QE3を終了するためには、上記の全てのFOMCの予測をクリアする必要がありますが、そのためには、今後の統計データ(成長率、雇用者数、インフレ率、コアインフレ率)で、景気拡大が確認される必要があります。
また、今年の9月時点で、QE3を終了する可能性もゼロではありませんが、そのためには、さらに、大きく景気が拡大する必要する必要があります。