【直近の履歴】
約2年間にわたって、連載を続けてきたこの商品循環のシリーズですが、今回を持って、一旦、終了とします。
今回は、これまでの分析の中で、私が特に重要だと思った点を挙げて、まとめの回としたいと思います。
1.商品の循環構造
商品価格は、約30年周期の構造を持っており、現在は、1980年以来、約30年ぶりのピークの位置にある。
2.長期金利の循環との関係
一方、長期金利のボトムと商品のピークの相関関係は、弱く、商品がピークを打たない場合もある。
3.中央銀行の金融政策との関係
従って、中央銀行の金融政策や通貨体制に大きく左右される。
4.先行指標
PPIが、商品のピークの先行指標として、最も有効である。
PPIの前年同月比が、15%を超えてピークアウトすると、1年以内に商品価格がピークアウトする。
5.景気循環との関係
商品価格は、株式と同様に、基本的には、景気循環に沿って、拡大期に上昇、後退期に下落するが、株式ほどの強い関連性は無く、特に、商品価格のピークアウトは、景気後退期に大きくずれ込む場合がある。
6.投資戦略
最もパフォーマンスが良いと考えられる商品投資の戦略は以下のとおり。
・PPIとイールドカーブの両方を監視
・PPIで商品のピークアウトを検出した場合は、商品を売却
・イールドカーブで景気後退を検出した場合は、商品と株式を売却して株式のショートポジションに乗り換える。
・イールドカーブで景気回復を検出した場合は、商品と株式を購入。
・商品と株式の購入比率は、商品が強気相場入りしているかどうかで判断し、商品の比率を最大75%まで高める。
7.実質価格による株式と商品の比較
・100年間、買い持ちした場合の実質価格の比較では、株式のパフォーマンスが商品を2倍程度上回る。
・商品と株式のピークが15年周期で交互に現れる。商品のピークから株式のピークの間は、株式のパフォーマンスが商品の約6倍となり、株式のピークから商品のピークの間は、商品のパフォーマンスが株式の約4倍とな
る。
8.個別商品の実質価格による分析
・エネルギーと農産物、金属の実質価格を110年間の長期で比較すると、最もパフォーマンスが高いのは、エネルギーであり、約3.5倍に上昇している。次に、パフォーマンスが高いのは、農産物で、約2倍となり、金属は、3割程度の上昇に留まっている。
・農産物は、各商品循環のピークで、同じ水準まで上昇している。従って、農産物指数は、商品循環のピークまでの到達度を知るための良い指標と言える。
今後は、第1回から今回までの内容を、一つのドキュメントファイルにまとめる作業を行い、ダウンロードが出来るように、SkyDriveにアップする予定です。
作業が完了したら、このブログでお知らせします。