ドイツの新エネルギー政策の実態

JOGMECのリポートの中で、ドイツの新エネルギー政策の実態について、記述がありました。


【ドイツのエネルギー政策報道のカラクリ】

・ドイツは太陽光で得られた電気を国が高く買い取る政策のおかげで、ドイツ国内では自国製の太陽光パネルの設置件数が急速な勢いで伸びていった。ただ、ここ2~3年で全体の8割が、値段の安い中国製に代わってしまい、ドイツにとってグリーンニューディールの経済効果は微々たるものになってしまった。太陽光発電の、総発電量に対する寄与は1~2%で、ドイツのエネルギー全体消費ではさらに小さく0.2~0.4%に過ぎない。

・ドイツの発電量の42%は最も大量にCO2を排出する石炭でまかなわれている。それは発電コストが安いからである。ドイツの電力業界は、政府の政策によって発電コストの高い再生可能エネルギーを導入させられている代わりに、コストの安い石炭を使って、帳尻を合わせているのだ。

EUでは電力エネルギー市場が完全に自由化されている。ドイツの掲げる新エネルギー政策は、少なくともこれまでのところ、自国の石炭火力発電とフランスの原発で成り立っているといっても良い。エネルギー政策は、エネルギー源の全体像を眺めて判断しないと意味がない。