商品循環 第84回 ソフトコモディティ価格指数(実質)の作成と分析

【直近の履歴】

前回は、コーヒーの実質価格を計算して、 長期的な分析を行いました。
今回は、 綿花、粗糖、コーヒーの価格を総合してソフトコモディテイ価格指数を作ってみます。

1.手順

ソフトコモディテイ 価格指数を作る手順は、以下のとおりです。

(1)個別商品の実質価格の計算
(2)実質価格の前年同月比の計算
(3)重み付けの決定
(4)加重前年同月比の計算
(5)ソフトコモディテイ価格指数の計算

2.個別商品の実質価格の計算

前回までに計算した 綿花、粗糖、コーヒーの実質価格を利用します。

3.実質価格の前年同月比の計算

上記で求めた個別商品の実質価格の前年同月比を、計算します。

4.重み付けの決定

ソフトコモディティの重要度を決定するのは、困難なため、各商品の重み付けを以下のように、均等に割り振りました。

 1876年~1947年・・・綿花(100%)
 1948年~1960年・・・綿花(50%)、コーヒー(50%)
 1960年~2010年・・・ 綿花(34%)、砂糖(33%)、コーヒー(33%) 
 
5.加重前年同月比の計算

上の重み付けを、各商品の実質価格の前年同月比に乗じ、その値を、年単位に集計して、加重前年同月比を計算します。

 6.ソフトコモディティ価格指数の計算

 1876年のソフトコモディティ価格指数の初期値を100とします。
 1877年以降は、上記の加重前年同月比を前年の ソフトコモディティ価格指数を乗じた値を、当年の ソフトコモディティ価格指数として、2010年まで求めていきます。

 7. ソフトコモディティ価格指数(実質)の推移

 上記で求めた ソフトコモディティ価格指数(実質)の推移をグラフ化すると以下のとおりです。

イメージ 1


8.ソフトコモディティ価格指数(実質)のブレイクポイント

ソフトコモディティ価格指数(実質)のブレイクポイントは、以下のとおりです。

 1876年・・・100.00
 1879年・・・121.11
 1900年・・・121.21でブレイク
 1903年・・・127.96でブレイク
 1905年・・・131.62でブレイク
 1909年・・・164.52でブレイク
 1910年・・・164.62でブレイクするとともに、この時期のピークを付ける
 1917年・・・232.07でブレイクするとともに、この時期のピークを付ける 
・・・ここまでは、綿花のみの価格
 1954年・・・238.31でブレイクするとともに、この時期のピークを付ける 
 ・・・ここまでは、綿花+コーヒーの価格 
 1973年・・・275.88でブレイク
 1980年・・・584.03でブレイクするとともに、この時期のピークを付ける 
  2010年・・・393.21
 
9.商品循環との関連分析

商品循環のピーク・・・過去最高値の更新有無(更新有り:〇、更新無し:×)
1917年~1920年・・・〇
1947年~1954年・・・〇 (注 後ろを1954年まで広げて見ています。)
1980年~1981年・・・〇
2008年~現在・・・×

上のように、過去4回の商品循環のピークのうち、3回でソフトコモディティの実質価格は、過去最高値を更新しています。

10.データ保存先

今回、作成した ソフトコモディティ価格指数(実質)のデータは、SkyDriveに保存しておきました。

 ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 softCommodities_index.aspx を参照してください。

 次回は、今回のソフトコモデティ価格指数と、以前に作成した穀物価格指数から、農産物実質価格指数を合成して、分析してみようと思います。