商品循環 第83回 コーヒーの実質価格の長期的推移

【直近の履歴】

前回は、粗糖の実質価格を計算して、 長期的な分析を行いました。
今回は、同様にソフトコモディティの一つであるコーヒーの実質価格を求めてみたいと思います。

1.コーヒーの名目価格の推移

CRB商品年鑑のデータから、1947年から2007年のコーヒー価格(名目)を取得しました。
また、2008年から2011年は、IMFのデータを使用しました。IMF Primary Commodity Prices

上記データを使って、 1947年から2011年の約60年間にわたるコーヒー価格(名目)の推移をグラフ化すると、以下のとおりです。 

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注)
 1)価格は、各年の平均値です。
 
【コーヒー名目価格のブレイクポイント】

1947年・・・25.91セント
1954年・・・78.53セントでブレイクするとともにこの時期のピークを付ける
1975年・・・85.70セントでブレイク
1977年・・・239.97セントでブレイクするとともにこの時期のピークを付ける
 2011年・・・273.20セントでブレイクするとともにこの時期のピークを付ける
  
2.コーヒーの実質価格の推移

次に、いつものサイトのCPIを使って、コーヒーの実質価格を計算してみます。

Historical Value of U.S. Dollars
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注)
 1)1967年を1セントとして計算されています。
 2)データの範囲は、1947年から2010年です。

上のように、現在のコーヒーの実質価格は、1977年の4分の1程度です。

【コーヒー実質価格のブレイクポイント】

1947年・・・38.87セント
1954年・・・97.38セントでブレイクするとともにこの時期のピークを付ける
1977年・・・131.98セントでブレイクするとともにこの時期のピークを付ける 
2010年・・・29.15セント 

3.コーヒー価格と商品循環の関係

上のデータから、それぞれの商品循環のピークで、コーヒー価格が過去最高値を更新したかどうかを、調べると以下の通りです。

商品循環のピーク・・・過去最高値の更新有無(更新有り:〇、更新無し:×)
注)コーヒーの場合、 商品循環のピークの幅を広く取っています。

【名目価格】
1947年~1955年・・・〇
1977年~1983年・・・〇 
 2008年~現在・・・〇 

【実質価格】
1947年~1955年・・・〇
1977年~1983年・・・〇 
 2008年~現在・・・×

【結論】
コーヒーが、商品循環のピークにおいて、過去最高値を更新する確率は、名目価格ベースで100%、実質価格ベースで66%である。

4.データ保存先

今回、作成したコーヒー価格(名目と実質)のデータは、SkyDriveに保存しておきました。

 ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、coffee_prices.xlsxを参照してください。

 次回は、綿花、粗糖、コーヒーの価格を総合してソフトコモディテイ価格指数を作って、分析したいと思います。