商品循環 第67回 長期金利の底における商品循環のピークのまとめ

【直近の履歴】
第66回 150年間の金価格と通貨体制の推移
第65回 金本位制の問題点と商品循環の関係
第64回 1861年から1925年の金価格と金融政策の関係

今回は、過去3回の60年周期の長期金利の底で、どのような、通貨体制が敷かれ、それが、商品循環のピークにどのように影響したかを、整理してみます。

1.1890年前後の長期金利の底

 (1)長期金利の底

   1886年・・・2.2%

 (2)通貨体制

   金本位制

 (3)金融政策

   金融引き締め

 (4)商品循環のピーク

   観測されなかった。

 (5)ベースマネーの推移

   データなし

2.1950年前後の長期金利の底

 (1)長期金利の底

  1946年・・・2.53%

 (2)通貨体制

  ブレトン・ウッズ体制下での金本位制

 (3)金融政策

  金融緩和。
   FRBによる米国債の引き受け。・・・第二次世界大戦の戦費調達

 (4)商品循環のピーク

  1947年に観測される

 (5)ベースマネーの推移

   以下のチャートは、1940年から1952年におけるベースマネーの5年前の同月比の推移です。
   商品循環のピークである1947年からベースマネーの伸びも急速に減少しています。
イメージ 1

3.2010年前後の長期金利の底

 (1)長期金利の底

  2011年9月22日・・・1.72%

 (2)通貨体制

  管理通貨制

 (3)金融政策

  量的緩和・・・QE,QE2
  FRBによる米国債モーゲージ債の買い入れ。

 (4)商品循環のピーク

  商品の強気相場に入っているが、未だ、ピークアウトしていない。

 (5)ベースマネーの推移

   以下のチャートは、2005年から2011年におけるベースマネーの5年前の同月比の推移です。
   ベースマネーの伸びがピークアウトしていないことから、商品循環のピークは、今後、やって来ることが予想されます。
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4.結論

長期金利のボトムでの商品循環のピークが出現するかどうかは、その時点での通貨体制とは、関係無く、中央銀行FRB)が、金融を緩和するか、引き締めるかによって、決まる。

・特に、中央銀行FRB)が、国債等を大量に購入して、ベースマネーを5年前比で、100%以上、拡大させると、商品循環のピークが出現する可能性が高まる。

5.データ保存先

今回、作成したチャートの元データは、SkyDriveに保存しておきました。
SkyDriveにログインし、ユーザーID:yada7215の「公開」フォルダにあるBaseMoneyPriorTo5Yearを参照してください。

次回から、長期金利のピークである1860年と1920年の商品循環のピークについて、考察していきたいと考えています。