中国の原油供給の現状

イメージ 1

石油エネルギー技術センター(JPEC)が、中国の原油供給の現状について、レポートしています。


上のグラフは、1965年からの中国の原油生産量・石油消費量・製油所能力・石油製品生産量の推移です。

・中国・工業情報化部発表のデータによると、今年1~5 月の国内石油消費量は前年同期比10.3%増の1.98 億トン(約960 万BPD)で、その輸入量も11.3%増の1.07 億トン(約517 万BPD)となった。また中国の石油海外依存度(石油輸入の割合)は55.2%となり、米国の53.5%を初めて超えたとある。

・中国のエネルギー弾性値(エネルギー消費の増加率と経済成長率の比)は1 に近く、日本の0.1~0.2と比較すると相当高い。中国政府は今後長期にわたり経済成長を続けて行くためには石油等のエネルギーの安定的な確保が必要不可欠で、並行して省エネを進めて石油の輸入量を少しでも少なくする事が必要になってくると思われる。

・現在、中国は急増する石油消費量に対応するため、世界各地での原油開発と権益の確保に力を入れている。しかしながら、中国の原油輸入主要国は将来も供給余力のあるサウジアラビア・イラン・イラク等の中東産油国に加え、アンゴラスーダン等のアフリカ産油諸国が中心とならざるを得ないため、これら原油を受け入れ処理するためには、今後も沿岸部への大型製油所新増設と受け入れ設備を整備することが必要になる。