商品循環 第18回 PPIベースの商品循環の周期を計算する

【直近の履歴】
第17回 商品循環のボトムをPPIから検出する
第16回 商品循環のボトムを定義する
第15回 石油危機と商品循環の関係

前回までに、PPIのデータに基づいて商品循環のピークとボトムの位置を決めたので、今回は、さらに、商品循環の周期などを計算してみます。

1.商品循環のピーク

定義:PPI前年同月比が連続して15%を超えて、ピークアウトした年月。ただし、商品循環のボトムから監視を開始して、1回目は、対象外とする。

1920年4月
1951年2月
1980年7月

2.商品循環のボトム

定義:PPI前年同月比の過去2年間の標準偏差が2%未満の時期が1年間以上続き、その後、6ヶ月以内に標準偏差が3%を超えた場合、最後に標準偏差が2%未満だった年月。ただし、商品循環のピークから10年を経過していない場合は、対象外とする。

1946年6月
1973年4月
1999年10月

3.ピーク間の月数差

1920年4月
・・・30年11ヶ月(371ヶ月)
1951年2月
・・・29年6ヶ月(354ヶ月)
1980年7月

平均:362.5ヶ月→30年2ヶ月

4.ボトム間の月数差

1946年6月
・・・26年11ヶ月(323ヶ月)
1973年4月
・・・26年7ヶ月(319ヶ月)
1999年10月

平均:321ヶ月→26年9ヶ月

5.ピークからボトムまでの月数差(商品の弱気相場の期間)

1920年4月
・・・26年3ヶ月(316ヶ月)
1946年6月

1951年2月
・・・22年3ヶ月(267ヶ月)
1973年4月

1980年7月
・・・19年4ヶ月(232ヶ月)
1999年10月

平均:271.6ヶ月→22年7ヶ月

6.ボトムからピークまでの月数差(商品の強気相場の期間)

1946年6月
・・・4年9ヶ月(57ヶ月)
1951年2月

1973年4月
・・・7年4ヶ月(88ヶ月)
1980年7月

平均:72.5ヶ月→6年

7.考察

以上のように、PPIから測定・計算される商品循環の周期は、約27年~30年となり、鉱物などの在庫循環から計算されるサイクルとほぼ合致しました。

また、前方のテール(強気相場)の長さの平均は、約6年で、後方のテール(弱気相場)は、約22年となり、以下のような商品指数のチャートの形に合致しています。

イメージ 1

ただし、1999年10月から始まった現在の商品の強気相場は、既に10年以上経過しており、これまでと比べて、前方テールが長いと言えます。

また、直前の商品循環のピークである1980年7月から平均周期の30年2ヶ月後を計算すると、2010年9月となり、既にピークを過ぎていても不思議ではありませんが、現時点でピークアウトした兆候は見られません。

これらのことから、今回の商品循環のピークは、やや、後方にずれていると思われます。

次回は、商品循環のピークとボトムにおける商品価格を調べて、同じ期間での株価と比較してみようと思っています。