日量8800万バレルの壁

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昨年7月の Yuan 氏の投稿ですが、今後の原油価格と景気の関係を考える上で、重要なので、再度、アップしました。


上の最初のグラフは、原油価格(縦軸)と需要及び供給量(横軸)の関係を、需要曲線(赤線)と供給曲線(青線)に分けて描いた概念図です。

原油のように供給に制約がある場合、供給量を増やすと価格が垂直に上がっていきます。
価格と需要量が反比例的に変化する需要曲線は、景気が良くなると右側にシフトしますが、矢印の臨界点まで上昇すると、需要崩壊が生じて、景気後退に陥り、需要曲線が左側にシフトします。

二番目のグラフは、2002年1月から2009年7月までの原油価格と供給量の関係をプロットしたものですが、上の概念図に沿った動きを示しています。
また、このときの臨界点の生産量は、日量8800万バレルでした。

三番目のグラフは、yuan 氏が作成した今後の需給曲線の予測図です。
2012年の夏に、日量8650万バレルで臨界点に達するとの予測です。
前回よりも臨界点の生産量が減ったのは、油田の減退などによって生産効率が減少しているからです。

この予測が当たるかどうかは、分かりませんが、今後、原油価格を予測する上で、需要と供給の量を注視しておく必要があると思います。
ちなみに、IEAによる2010年の需要量予測は、日量8630万バレルです。