オバマ政権のスマートグリッド戦略

三菱東京UFJ銀行のワシントン駐在員の奥智之氏が、オバマ政権のスマートグリッド戦略と再生利用可能エネルギーの推進についてレポートしています。


オバマ政権は10月27日、スマートグリッドと呼ばれる次世代送電網の整備に向けたプロジェクトに、34 億ドルの連邦政府資金を拠出することを発表した。

・今回発表されたプロジェクト資金34 億ドルのうち、30 億ドルはスマートメーターと呼ばれるハイテク電力メーターの設置に注ぎ込まれる。

スマートメーターは家庭内の家電機器と無線通信で接続し、機器毎・日時毎の電力使用量を消費者が把握しやすくなる。

・残りのプロジェクト資金は、送電網が故障する前に電力会社に警報を送る機能を持った「スマート」変圧器(20 万基)、電力会社による送電網の状態監視を効率化すると共に、再生可能エネルギーによる断続的発電の取り込みを可能とするセンサー(850 基)、停電への対応を容易にすることを目的とした自動変電所設置(700 箇所)に当てられる。

スマートグリッドを全米に整備するには合計およそ1,500 億ドルの投資が必要だといわれる。

オバマ政権はスマートグリッドの構築を、今後のクリーンエネルギー経済確立に向けての戦略の中核に位置付けている。

・今回のインフラ投資は米国再生・再投資法に基づくもので、雇用創出効果への期待も大きい。

・今回の発表で、政権はクリーンエネルギー政策の中核となる再生可能エネルギーの中でも、特に太陽光発電プラグインハイブリッド車の普及に焦点を置いた。

・次の主要ステップとしては、「グリーンバンク」設立構想が期待されている。これは、いわゆるインフラ銀行を設置し、「クリーンエネルギー」を推進するプロジェクトに対し、連邦政府が融資保証を提供することを可能とするものだ。

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米国は、老朽化した送電網を更新する必要があるので、電線メーカーに対する需要は、増えると思います。
太陽光発電は、エネルギー変換効率が低く、私は、あまり、良い方法とは思えませんが、米政府が巨額の投資をすれば、ビジネスとして、一定の成果は出て来ると思います。