リチウム空気電池について

次世代の二次電池として、リチウム空気電池の開発・実用化に期待が高まっています。

産業総合研究所が2月に発表した内容によると、有機電解液と水性電解液を組み合わせた新しいタイプの「リチウム-空気電池」の開発に成功したということです。


●引用開始
携帯電話やノートパソコンなどにリチウムイオン電池は広く使われているが、電気自動車用にはエネルギー密度が不足している。そのため理論的に大容量化が可能と予測されている「リチウム-空気電池」が次世代の大容量電池として注目されている。しかし今までに報告されているリチウム-空気電池は、正極に固体の反応生成物が蓄積し電解液と空気の接触が遮断され放電が止まるなどの問題があった。

本研究においては、負極(金属リチウム)側に有機電解液を、正極(空気)側に水性電解液を用い、両者を固体電解質で仕切り、両電解液の混合を防いだ。固体電解質はリチウムイオンのみを通すため、電池反応は支障なく進み、正極における反応生成物は水溶性であり固体物質は生成しない。この電池の連続50000mAh/g(空気極の単位質量あたり)の放電も実験により確認した。

本技術は自動車用電池として極めて有望である。自動車用のスタンドで、正極の水性電解液を入れ替え、負極側の金属リチウムをカセットなどの方式で補給すれば、自動車は充電の待ち時間なく連続走行できる。使用済みの水性電解液からは電気的に容易に金属リチウムが再生され、リチウムは繰り返し使用される。金属リチウムを燃料とした新型燃料電池といえる。
●引用終了

もし、この電池が電気自動車に応用された場合、次のような利点があります。
1.一回の充電で走行可能な距離が、現在の150kmから、1000km近くまで、伸ばすことが可能。
2.電解液とリチウムカートリッジの交換だけで、充電が完了するために、現在、10時間以上かかっている充電時間が、数分で完了する。
3.ガソリンスタンドのようなサービスステーションで、充電作業が完結するので、ショッピングセンターや駐車場などでの充電インフラの整備が不要になる。

まだ、研究段階の技術ですが、資本の集中的な投下によって、実用化が早まる可能性が高いと思います。