米銀のバランスシートの概念

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CR氏が米国の大手銀行のバランスシートの状況を、図を使って分かりやすく説明しています。


上の最初の図は、現在の大手銀行のバランスシートのイメージです。
右側の青色が自己資本(Capital)で、水色が昨年末に注入された政府資本(TARP Capital)、赤色が負債(liabilities)です。
左側の薄緑色が不良資産(Toxic assets)で、緑色が健全資産(normal assets)です。

現在、住宅価格の下落などで、不良資産が劣化し続けているので、薄緑色の不良資産の評価額が下落しています。
その結果、左側の資産よりも右側の負債の方が大きい債務超過になっている懸念が生じています。

二番目の図は、債務超過になっている銀行(ゾンビバンク)のバランスシートのイメージです。

三番目の図は、政府が問題の有る銀行を買収・健全化した後の、株式公開直前のバランスシートの概念です。

政府が買収した結果、左側の資産から不良資産が消えています。
また、全体のバランスシートは、不良資産が無くなった分だけ縮小しています。
右側の資本・負債も縮小させる必要があるので、株式の価値をゼロにしたり、負債を一律カットするなど投資家に痛みを伴う対策を実施します。

最終的には、三番目の図のようなバランスシートにすることが目標ですが、そのためには、銀行のバランスシートからいかにして不良資産を外すかということが重要になります。